掲載水道用語

燃料電池車
水素を燃料として利用し酸素との反応によって発電して電気エネルギーを得る車両です。この電気エネルギーをモーターに供給することで車両を駆動させます。燃料電池車は、電気自動車（EV）と同様に電動車であり電気を動力源としている点で共通しています。
以下に燃料電池車の主な特徴や利点を示します。
●クリーンエネルギー
燃料電池車は、水素と酸素の反応によって電気を生産するため排出ガスは水蒸気のみです。これにより環境への負荷が低くクリーンなエネルギー源となります。
●長距離走行
燃料電池車は、電気を発電するプロセスであるため充電時間が短く電池の寿命を気にする必要がありません。また、水素の充填時間は、ガソリンを給油する時間とほぼ同程度です。
●再生可能な燃料
水素は豊富に存在する再生可能な燃料であり再生可能エネルギー源と組み合わせることでより環境に優しい車両となります。
●高効率
燃料電池車は、燃料電池による電気生成からモーターへの電力変換までの過程で高い効率でエネルギーを利用します。
●静音とスムーズな走行
電動車の特徴である静音性とスムーズな走行を備えています。

燃料電池車の普及には、水素インフラの整備やコスト削減、効率の向上などの課題がありますが環境への配慮や持続可能なエネルギー利用の観点から注目されています。

燃料電池車と水道施設との関係
燃料電池車（FCV）は、水素と酸素の化学反応によって電力を発生させ、その電力でモーターを駆動する次世代のエコカーであり、その排出物は純粋な水のみであるため環境負荷が低いが、この特性を活かして水道施設との連携が進められており例えば水素ステーションで燃料電池車から排出された水を回収し水資源として活用する研究や水道施設が供給する純水を燃料電池車の燃料として使用する技術開発が行われているほか、燃料電池の発電機能を利用して災害時に水道施設の非常用電源として活用する取り組みも注目されており特に大規模災害時には燃料電池車を移動式の発電機として利用することで浄水場やポンプ場の電力供給を維持し安全な水の供給を確保できる可能性があることから、自治体や水道事業者の間で実証実験が進められているが、さらに燃料電池車と水道施設を連携させることでカーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待されており、例えば水道施設の電力を燃料電池で補いながら水素を製造しその水素を燃料電池車に供給することで再生可能エネルギーの活用を促進し、エネルギーの地産地消を推進するモデルが検討されている一方で、水道施設で発生する副産物としての水素を有効活用する試みもあり、例えば水の電気分解による水素製造技術を導入し余剰電力を利用して燃料電池車向けの水素を製造することでエネルギーの有効活用を図るとともに水道施設の脱炭素化にも寄与することが可能となるため今後の技術開発と社会実装が進めば燃料電池車と水道施設が相互に連携しながら持続可能な都市インフラを構築するための重要な要素となることが期待される。