掲載水道用語

セントリフュゲーション
「セントリフュゲーション」は、水道工学や環境工学において用いられる用語で、主に液体中の微粒子や浮遊物質を分離するためのプロセスを指します。このプロセスは、遠心分離とも呼ばれ、遠心力を利用して異なる密度や質量を持つ粒子を分離する原理に基づいています。

１. セントリフュゲーションの基本原理
・セントリフュゲーションは、遠心力を介して粒子を分離する原理に基づいています。遠心分離機（セントリフューガル）は、高速で回転する円筒状の容器を使用し、その回転によって発生する遠心力を利用して異なる質量や密度を持つ物質を分離します。
・基本的な原理は以下の通りです。
１.１ 遠心力の作用
・遠心力: 回転する容器内での物体に働く力で、これによって粒子が遠心方向に押し出される。
・遠心分離機構造: 典型的なセントリフューガル装置は、高速で回転する円筒状のドラムを持ち、このドラム内で物質が回転によって外側に押し出される。
１.２ 分離の原理
・密度による分離: 遠心力が働くことで、異なる密度や質量を持つ粒子が異なる位置に分離される。
・沈降速度: 遠心力によって生じる沈降速度が粒子の分離に影響を与える。遠心分離においては、重い粒子がドラムの外側に、軽い粒子が内側に集まります。

２. セントリフュゲーションの利用
２.１ 水処理
・浄水場: セントリフュゲーションは、浄水場で浮遊物質や微粒子を分離し、水の浄化を行うのに利用される。
・汚泥処理: 汚泥中の水分と固形分を分離し、効率的な汚泥の処理を実現する。
２.２ 産業
・製薬: 生体組織や医薬品の製造において、異なる密度の成分を分離するためにセントリフューガルが利用される。
・食品工業: 乳製品、果汁、油脂などの製造プロセスで使用され、液体から不純物を分離する。

３. セントリフュゲーションの種類
３.１ 工業用セントリフューガル
・連続式: 定常的な供給と排出を行い、連続的に分離プロセスを繰り返す。
・バッチ式: 特定の量の原料を一度に供給し、分離が完了したら停止し、その後排出を行う。
３.２ 別心分離機
・ディスクセントリフューガル: ドラムが傾斜しており、分離された成分がディスク状に排出される。
・テューブセントリフューガル: ドラムが直立しており、分離された成分が下部のチューブを通じて排出される。

４. まとめ
セントリフュゲーションは、水処理や産業分野で浮遊物質や微粒子を分離するための有力な技術です。その原理は、遠心力を利用して異なる密度や質量を持つ粒子を効率的に分離するものであり、浄水場や産業プロセスにおいて広く利用されています。セントリフュゲーションの種類や利用方法は多岐にわたり、特定の用途に最適なセントリフュゲーターを選択することが重要です。